歯が痛い時の診断と処置②

    ヒアリングと触診

    「つめたいものが凍みる」「ずきずきする」と来院された患者様のケースです。
    これらの訴えから、歯髄炎や根尖性歯周炎などを疑い、歯を軽く叩き打診痛の有無を確認しました。打診痛の症状は見られませんでした。

    考えられること

    これら2つの訴えられた症状から、歯の神経は、虫歯菌で侵されてはいるが、抵抗を示してまだ生きていると考えられます。
    また、「ずきずきする」という訴え(自発痛)から、かなり神経が侵されていると判断できます。
    神経の侵食具合で生きている神経を残すか、除去するかの判断をしないといけないので、まず、レントゲンを撮って確認します。

    レントゲン(デンタル)で確認

    金属の詰め物の下に大きな虫歯の穴がみえます。この虫歯の後ろの歯茎と金属の詰め物の間から汚れがたまって二次虫歯になってしまっています。
    その後、静かに進行して歯髄まで大きくなってから症状が出始めたと思われます。
    神経まで犯されている(歯髄炎)なので、神経を除去する必要があります。

    歯髄炎の処置①〜つめ物の除去〜清掃

    金属の詰め物(インレー)をひっかけて軽くはじくと簡単に取れました

    歯髄炎の処置②〜根幹治療〜

    麻酔をして虫歯で柔らかくなったところを取り除きコンポジットレジンというプラスチックで壁を作り神経を取りました。

    歯髄炎の処置③〜かぶせ物セット

    神経を取った歯は、歯の部分が少なく歯が割れやすくなるので、人工のかぶせ物を装着します。
    人工のかぶせ物には、保険のいわゆる銀歯や歯科用の白いプラスチック素材のもの、また保険外(自費)では、ジルコニアやセラミック、金などの素材のものがあります。
    値段も様々ですし、患者様のお口の中に対する意識によっても選ぶ素材が変わります。
    当院では、つめ物やかぶせ物(補綴物)の素材の違いや、性能や経年変化について詳しく説明致しますので、お気軽にご相談ください。

    まとめ

    虫歯の治療をしても、つめ物自体の精度が低かっったり、装着の精度が甘かったり、日々のブラッシングを丁寧に行なっていなかったり、定期的に歯医者へ通ってメンテナンスを受けていなかったりと、様々な要因で二次的な虫歯になるリスクがあるということです。
    神経を取ってしまうと、ご自分の歯をほぼ失うことになりますので、出来るだけ早くに歯医者を受診されることをお勧めします。
    ご自分の歯を出来るだけ失わないように、ご自宅と歯医者さんでのメンテナンスをしっかり行いましょう。