歯の痛みの診断と処置

    カウンセリング内容

    2次カリエス

    「歯が痛い」と来院された患者様のケースです。
    ヒアリングをすると、歯にふれたり何かを噛んだりといった刺激を与えていないにも関わらず、痛みを感じるとのことなので、自発痛がある事がわかりました。噛んだ時も痛いとのことなので、原因歯とその前後の歯を軽くたたいて、それぞれの歯の痛みの有無を比較してもらいました。結果、原因歯に大きな痛みを感じるとの事です。
    ピンセットで原因歯をつかみ左右にゆすると、歯がグラグラ動きます。
    歯茎を触れても痛みが発生します。
    水、空気を吹きつけても反応はありませんでした。

    考えられること

    • 金属の詰め物と天然歯の隙間から虫歯菌が侵入し、2次的な虫歯になり、歯の神経(歯髄)が死んでしまった。
    • 痛みの原因は、歯の神経の空洞(歯髄腔)内の圧力が高まり歯の動揺が発生してきたからと判断しました。
    • ピンセット軽くたたくと発現する痛み「打診痛」、歯が埋まっている歯茎部分を押さえると痛みを感じる「圧迫痛」なども歯髄が死んでいる症状にあっています。

    レントゲン(デンタル)で確認

    歯髄壊疽

    デンタルレントゲンを撮影すると金属の詰め物(インレー)の直下(緑矢印)に2次虫歯を確認しました。

    歯髄診断機で歯の神経の生死を確認

    歯髄は死んでいる事が分かりました。

    歯髄診断機

    処置

    歯髄腔の圧迫からの痛みを取り除くために、金属の詰め物を外し、歯の上部を削り死んだ歯髄を除去します。麻酔せずに歯を削りましたが痛み無く削れました。
    1つの根幹から出血が確認されたので、歯髄すべてが死んでいる訳ではなかったようなので生きている歯髄を残し、このまま開放した状態で自発痛がなくなるのを待ちますが、菌が入るため1・2日間のみ待ちます。

    圧迫痛

    セメントで空洞を封鎖後、経過観察のため1週間くらい空け様子をみていきます。
    次回は残った歯髄を除去していきます。
    歯髄を完全に除去した後は、大臼歯なので支台歯(コア)を立て、かぶせ物をする予定となります。

    まとめ

    歯が痛いという主訴でも、様々な原因が考えられますので、しっかりと患者様の声に耳を傾け、悩みを聞き出すカウンセリングと、考えられる原因を突き止めるための診断が何よりも重要だという事です。
    経験によりそれらの精度は上がってきますが、経験が浅い時は先輩に意見を求めたり、普段から知識の蓄えを行うと良いでしょう。