歯磨きで一番大切なことって何?

    毎日の習慣である歯磨き。
    「毎日きちんと磨いているはずなのに虫歯になってしまった…」
    「歯医者さんで磨き残しがありますと言われてしまった…」

    そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。歯磨きは歯を守る為にも大切な基礎です。

    歯磨きで大切なポイントは、正しい磨き方、歯磨きのタイミング、磨き残しの多い箇所を知ることです。今回はこれらのテーマに沿って詳しく解説していきます。

    正しい磨き方

    歯磨きの一番の目的は、 プラーク(歯垢)を取り除くこと です。プラークとは、口の中の細菌が集まって作られる白いネバネバのかたまりで、虫歯や歯周病の原因になります。水でうがいをしただけでは取れず、歯ブラシで物理的に落とす必要があります。

    毛先を歯や歯ぐきの隙間にきちんと当てる

    プラークは歯の表面よりも、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にたまりやすいです。毛先をきちんと境目にあてて、細かく動かすことが大切です。

    軽い力で動かす

    強く磨けば汚れが取れるわけではありません。理想は 150〜200g程度の軽い力。歯ブラシを持ったときに、ペンを持つような感覚で優しく磨くとちょうど良いです。

    小刻みに動かす

    5~10mmの幅を目安に小刻みに動かし、1~2本ずつ磨きましょう。大きく動かすと毛先の当たっていない箇所が出てきてしまうので、全ての歯に歯ブラシの毛先が当たるように1本1本磨いていきましょう。

    歯磨きのタイミング

    いつもの歯磨きをより良くするためには、歯磨きを行うタイミングも大切です。

    食後30分はあけて歯を磨く

    普段お口の中は基本的に中性ですが、食後すぐは口の中が酸性に傾いて歯質が傷つきやすい環境です。酸性の状態は虫歯菌が活発になりやすく、歯の表面のエナメル質も溶けやすく弱っている状態です。食後30分程時間が経過すると唾液の力で中和されて溶けたエナメル質も回復します。大切な歯を守るために食後すぐの歯磨きはやめましょう。

    ▶︎寝る前の歯磨きは特に丁寧に行う

    1日3回歯磨きをできる事が理想ですが、1日の中で1回しか歯磨きできないという場合でも、その1回にしっかり時間をかけて歯磨きをできれば、虫歯や歯周病になる可能性を減らすことができます。就寝中は自浄作用のある唾液の分泌が減り、お口の中の菌が増殖しやすいため、寝る前の歯磨きは特に丁寧に磨きましょう。

    フロスや歯間ブラシは「歯磨きの前」がベスト

    米国歯周病学誌で「フロスは歯磨きの前に行うことが、最も効果的に歯垢を除去する理想的な順序である」という研究結果が報告されています。歯磨きの前にフロスや歯間ブラシで汚れを取り除いてから歯ブラシで磨く事で、歯磨き粉の有効成分(フッ素など)を歯と歯の間にも行き渡らせることができます。

    磨き残しの多い箇所

    磨き残しは「誰でも必ず出るもの」です。自分が磨き残しやすい箇所を知り、その箇所に合った磨き方をしましょう。

    1:でこぼこ歯並び【叢生(そうせい)】

    歯並びが、でこぼこしている歯は1本1本にハブラシを縦にあてて毛先を上下に細かく動かしましょう。重なった歯と歯の間は、歯ブラシでは届きません。デンタルフロスを通すことで、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らせます。

    2:親知らずや背の低い歯

    一番奥の歯(親知らずや第二大臼歯)の後ろは、歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れがたまりやすい部分です。口を大きく開けすぎず、歯ブラシを少し斜めに入れると当たりやすくなります。

    3:歯と歯ぐき(歯肉)の境目

    プラークは歯ぐきとの境目にたまりやすいですが、強く磨くと歯ぐきを傷つけてしまいます。毛先を45度の角度で当て、優しく小刻みに動かすのがポイントです。歯と歯ぐきの間には歯間ブラシを使って汚れを落としましょう。

    デンタルフロスや歯間ブラシを使って磨き残しを減らそう

    ▶︎フロスや歯間ブラシ併用で歯垢除去率がグンとUPする

    歯ブラシのみの歯磨きでは歯垢の除去率は約60%と言われており、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで90%近くも歯垢を除去することができます。歯磨きの時は積極的にフロスや歯間ブラシを併用してケアしましょう。これだけで虫歯や歯周病などのリスクは大幅に下がり、健康な歯を保つことが出来ます。

    ▶︎奥歯の奥や矯正装置のまわりにはワンタフトブラシがおすすめ

    ワンタフトブラシの毛先

    ワンタフトブラシはヘッド(タフトブラシの頭部)が小さく太めの毛束が特徴です。毛先の先端部分がとても鋭角になっているので狭い奥にも入りやすい構造になっています。そして、どの角度から歯に当てても毛先の断面が歯に直接当たりやすく、奥歯の奥や矯正装置のまわりに最適なブラシです。

    磨き残しは染め出し液でチェックしてみよう

    メルサージュPCペレット〈歯垢歯石染色液〉

    「自分はちゃんと磨けているのかな?」そう感じたら、歯科医院で使われる 染め出し液 を活用してみましょう。当院で取り扱っている染色液(上記掲載写真)は歯垢は赤く歯石は赤みがかった青色に染色されます。歯垢だけでなく歯石の有無もわかる優れものです。定期的に染め出し液で磨き残しやすい場所を把握して、磨き残しを減らしましょう。

    まとめ:1番大切なことは歯垢(プラーク)を確実に落とすこと

    歯磨きで大切なのは、「正しい磨き方で歯垢(プラーク)を確実に落とすこと」 が何よりも重要です。磨き残しを出来るだけ減らせるよう、毎日の歯磨きは丁寧に行いましょう。

    しかし、どれだけ丁寧に磨いているつもりでも、どうしても磨き残しは出てしまうものです。そこで重要なのが 歯科医院での定期検診やクリーニングです。歯科衛生士から自分に合った磨き方を直接アドバイスしてもらうことで、歯磨きの精度が一気に上がります。

    当院では、患者さま一人ひとりに合わせたブラッシング指導や定期的なメインテナンスを行っています。お口の健康を長く守りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

    記事監修 Dr.堀内 啓史
    堀内歯科医院
    院長 堀内 啓史

    岸和田のかかりつけ医、この町の歯医者さん堀内歯科
    東岸和田駅から徒歩約7分
    〒596-0825 岸和田市土生町6丁目10-8